未換地はどうなるか?
長尾土地改良事業には、先に述べたように、現在も未換地の未処分地が七ヵ所もあることが判明した。事業者が岐阜県あるいは高山市と分かった以上
その責任は岐阜県か高山市にある。これをどのように解決させるか? わたくしは順序として岐阜県から当たってみることにした。岐阜県の農務課の職員らはすでに顔なじみである。いったいどのような顔をするのだろう。
ところが、県庁には先に面識のできた職員はひとりもいなかったのである。このころになると、どこで聞いたか長尾土地改良事業に参加していた、佐々木政夫、藤井孝三、長谷川正明らが訪ねてきて事情を聞くようになった。
かねてより、長尾土地改良事業の換地に不満を抱いていた面々のようである。わたしは求められた質問にはできるだけ丁寧に答えたが、訪問者らはいまだに換地されない土地がのこっていることにたいそう驚いた様子だった。