行政の裏に陰の人物が……
屠畜場建築物の主要部分に、浄土真宗西蓮寺門徒二十九名が所有する共有地があることは当然門徒衆が大反対するという問題になりました。ご先祖さまが残してくれたたいせつな農地を殺生を行う場所にするなどもってのほかというわけです。
高山市は市の山本弘重元農林課長をつかって西蓮寺門徒の説得にあたらせましたがまったく刃が立たなかったのです。然し高山市は巧妙な手段を使ってその切り崩しにとりかかりました。
まず西蓮寺の住職の兄弟松岡法泉は高山市の西隣にある清見村(いまは高山市)の村長であること。農地共有所有者の中に桑田博之という飛騨農協職員がいたこと。
土野守高山市長は農協に働きかけて桑田博之を破格の抜擢をすることから手をつけました。
また、土野守高山市長この問題の陰にきわめて好便な人物がいました。柿本太久治(かきもとたくじ)という人物で、旧高山市議会の息子で、元不動産業を営んでいたそうですが事業に失敗し自己破産、高山市内の実業家である中田金太の使用人になっていましたがこれが暗躍することになったのです。